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英語が母語ではない場合の論文の執筆方法


編集サービスの利用

原稿整理編集サービスとは、主題の専門家ではない(ジャーナルの編集者とは異なる)が、執筆者が言いたいことをできるだけ明確に表現し、対象読者が内容を理解できるようにすることを専門とするプロのコピー・エディターによるサービスです。プロの編集者は高度な技能を持っており、多くの場合最終成果物に貢献します。編集者の運がよい場合は、わずかな編集料と引き換えに、著者の序文でこの論文の一番最後の関係者として謝辞が記されます。米国の作家アーネスト・ヘミングウェイの編集者であるマックスウェル・パーキンスは、実際ヘミングウェイの散文作品の大部分に関与しています。

Emerald の編集サービスコーナーでは、経験豊かで信頼のおける編集者を紹介します。この「論文執筆法」ガイドを準備する際に、当社は編集者全員に連絡を取り、以下に挙げるアドバイスを得ました。

原稿整理編集のタイプ

構造編集は、「高水準」言語と称する言語の考察に関係します。

  • 論理的な主張があるか、論文が構造に従っているか、執筆者はある意味で論理の飛躍(不合理な推論)を避けているか?
  • 執筆者は言葉を多義的に使用するのを避けているか?
  • 執筆者は、投稿するジャーナルの形式とスタイル要件に従っているか?
  • 論文の見出しの使い方は妥当か?
  • 同上段落はどうか?

コピーエディティングは、句読点、文法、スペル、ハイフンなどの言語の問題や、書誌表記の問題に関係します。

編集料金

執筆者が論文を電子メールで送信する場合、見積りをするエディターと校閲料金について話し合う必要があります。校閲料金は、時間単位またはページ単位で見積もられ、時間単位の相場は、1 時間あたり£18/£20(最低料金)から£25-£35、高度に技術的な論文の場合は£50-100 となります。

エディターが「画面上」(ページ単位)で作業する場合、料金はさらに高くなります。400 ワードの校閲料金が、紙では€10 、PCの画面上では€15 かかります。電話で話し合って問題を解決する場合の料金は、1 時間あたり€50 です。校閲に要する時間も場合により異なりますが、「平均」料金は、「標準的な」15 ページの論文で €175 で、3-4 時間から 8-12 時間かかります。

以下に挙げる専門家協会のウェブサイトでは料金の指針を設けていますが、この場合の料金は基本的に比較的単純な作業の場合です。

エディターがどのレベルの作業を実施し、どの程度完璧に校閲を行うのかを知っておくと有益です。

「校閲料金は高く、特に英国より通貨が弱い国で校閲を依頼する場合はその傾向があります。(英国在住のエディターを利用しようという大半の欧州以外の研究者にとってはそうです。) 私のクライアントの大半は、自分で校閲費用を負担せずに、大学や他の資金提供機関から支援を受けます。執筆者が所属する大学の誰にこうした問い合わせをすればよいのかがわかれば、このような資金援助を受けることができます。

校閲コストの見積りを電子メールで問い合わせる際に、校閲する文書を添付すれば、エディターはどの程度の作業が必要なのかがわかります。

エディターに見積価格を下げさせるために、値切り交渉をしたり、罪悪感を利用(「私は貧しい研究者です」などと言う)しないでください。大半のエディターもこの料金で生活を立てようと努力しているのです。エディターが通常の料金以下で仕事を引き受けると、赤字を抱えるかもしれません。エディターを他の専門家と同じように扱えば、自分が同じ立場になったときに、他者から同様に扱ってもらえます。

校閲済みの論文を受け取ったらすぐにエディターに支払えるように、お金を用意しておきます」

Dr Lynne Murphy
サセックス大学(英国)の上級講師(言語学)

他に期待すること

大半の校閲者は、いわゆる「執筆者の声」すなわち執筆者自身のスタイルが前面に現れることが重要であると考えています。また、大半の言語スタイルは自然な話し言葉の英語ではなく、特定の学問分野に固有だということを心に留めるべきです。

「私はできるだけ執筆者のスタイルを守るようにしていますが、発表するジャーナルにとって不適切なスタイルで書かれたと判断する箇所については、改善するように提案します。英語が外国語である多数の執筆者は、口語で論文の一部を執筆したかと思うと、突然文語調になることがあります。そのような場合は、どちらがさらに適切かを提案します。たとえば、Popular Science について執筆した論文には、あまり堅苦しくない現在形で執筆することを勧めます。一方、British Medical Journalの論文には、より形式張った科学論文のスタイルを勧めます。スタイルについては、執筆者とエディターの間であらかじめ合意しなければなりません」

Brian W. Ellis
キプロス在住の科学校正専門家

「私は、常に執筆者に押し付けがましくならないように努めていますが、何かが不明瞭または変更すべきだと思う場合は、この点を執筆者に知らせ、大文字で書いて提案します。執筆者は、この点について私と話し合うことが可能です」

Dr Brian Bloch
独英エディター/翻訳者

エディターは、投稿するジャーナルのフォーマットとスタイルを確認する必要があるため、執筆者はあらかじめこの情報をエディターに伝えます。(この確認を執筆者が行うと、校閲料金の節約になります。)

同じことは参考文献にも言えます。したがって、参考文献関連の作業を自分で行うと、かなりの時間とお金を節約できます。詳しくは、「Harvard reference system の使い方」ガイドを参照してください。

エディターが英語の問題を何でも解決してくれると思わないでください! あいまいな英語が原因で、エディターが執筆者に連絡し、疑問点を解決するということがよくあります。

「よく練られた非英語圏者の英語には、実際には意図しないと思われるちょっとした意味の違いを見ることがあります。たとえば、フランス語話者が'anxiety'という単語を使った場合、辞書で同様の意味をつ'anxiété'、'inquiétude'、'appréhension' あるいは'angoisse'というさまざまな意味をカバーしているかもしれません。意味を明確にするために、元の単語について情報を得るか、少なくとも執筆者が何を考えているのかを知り、必要に応じて適切な形容詞に置き換えます(または、別の単語を選びます)。エディターは、執筆者が優れた論文を執筆した場合は勘を働かせることはできません。私の経験では、こうした微妙な変更は多くの場合、へたな英語を直すよりさらに時間がかかります。特に、執筆者が専門用語や表現について議論したい場合は特にそうです。それは、とにかく執筆者が英語について熟知しているためです」

Brian W. Ellis
キプロス在住の科学校正専門家

「執筆者は、エディターから原稿が戻った日にジャーナル出版社に投稿する用意ができたと期待すべきではありません。たいていの場合、エディターは不明瞭であったり矛盾してたり、また更なる情報を必要とする論文の箇所を指摘するかもしれないからです。こうした問題を解決するには、数日を要します」

Dr Lynne Murphy
サセックス大学(英国)の上級講師(言語学)

コピー・エディターに連絡をとる時期

Emerald からの一般的なアドバイスは、まず作業中の草稿について非公式にエディターと連絡を取り、英語を推敲する約束を取りつけますが、推敲はより正式なピアレビューの過程に入る前に行います。以下に挙げるコメントによると、比較的完成度の高い原稿は、編集やピアレビューの過程で内容が変更されることもあるため、校閲してもらうのは時間の無駄となることもあることを示しています。

「明らかに今少し推敲が必要ではあるが、一般的にかなり完成度が高い論文を前にした際には、私は次のように言います。『ジャーナルの編集者が判断するのにふさわしい品質の論文です。お金を無駄遣いしないでください。』そうすれば、著者が最終原稿のみにお金を使えます。8,000 ワードの論文を何度も訂正すると費用が高くつき、校閲者は 3,000 ワード削ると主張します。いくつかのケースでは、執筆者は編集者がこの論題に興味を持っているかどうかを確認するように助言しました。すると、執筆者は最終版の英語のみを訂正してもらうと言いました。

私が頻繁に直面するもうひとつの問題は、レビューアのコメントがついた論文です。訂正に関して極めて特殊な提案、たとえば、方法論の章を推敲する、結論をさらに発展させるなどがごく一般的なものですが、執筆者から情報をさらに得ない限り、私は何もできません。レビューアがこのように助言したのはなぜか、あるいは可能性のある結論のうち、レビューアはどれを好むのか? その時点で校閲を始めると、執筆者から情報を引き出そうとして長い間(費用のかかる)やり取りに巻き込まれます。私は通常、校閲を始める前にそれらの極めて特殊な質問に答えるように助言します。そうすれば、最終的な校閲に必要なすべての情報を手に入れることができます。

この点について考えると、私は、ジャーナル編集者が基本的にその論文に関心があるかどうかを判断するのに十分だと私が助言する原稿と、私が校閲を開始する前にさらに情報を出すように依頼する論文原稿との間を行き来しながら、送られてくる論文の最初の版の校閲を拒否する傾向があります。

Professor David Turner
ウェールズを拠点とする校閲者

エディターの中には、論文を投稿する前に最終的な推敲を推奨する人もいます。